side:攻
「あ、もうこんな時間か・・・」
ふと、見上げた時計は午前一時を指している。
最近買った本を読んでいたら、こんな時間になっていたようだ。
仕事がひと段落して、休憩のつもりで読んだはいいが、面白い内容に時間はあっという間に過ぎる。
(明日も仕事、か・・・)
ふぅ、と小さなため息を吐いて思う。
それは、いつも頭を占めている恋人のこと。
(一人で大丈夫かな・・・・・)
きっと強がっているに違いない。
あの子は元気だけど、人に弱みを見せたがらない。
(早く帰って、安心させたい・・・・・・・いや、安心したい)
くすっと笑い、自分の方が会いたいだけじゃないかと思う。